インジェクター考察その2.

劣化による寿命などなど

今日はデルタのインジェクター供給元から興味深い話を聞いた。
どうやら、フューエルインジェクターは燃料ポンプなどと同じく、「コイルの劣化」による寿命がある消耗品なのだそうだ。

国産車インジェクターの例

下の写真は、とある国産車(17万km)の国産車から外した純正インジェクター(下)と、中古品インジェクターを超音波洗浄したもの(上)。
当初はオーナー持参の中古インジェクターを「超音波洗浄して欲しい」との依頼だったという。

超音波洗浄し、レベリングや噴霧パターンを揃えておいたが、最終的にオーナーと相談して装着したのは“新品“インジェクターだった。とのこと。

理由を尋ねると、、、
「17万kmのは論外。」
「でも、中古洗浄したものと新品を比較すると、全噴射時の吐出量は大きく変わらないものの、スプレーパターンや断続噴射した時の吐出量に元気がなかった。」だそう。
実際、超音波洗浄後の中古品も9万km近く走ったモノだったそうで、安全をみて新品に決めたとのこと。

新品をインジェクターテスターにかけたところ、4本全ての吐出量やスプレーパターン全てにばらつきなく、勢いがあったそうだ。
勿論、その国産車オーナーは新車当時のトルク感・燃費性能を取り戻し、「あと10万kmはイケる!」と上機嫌だったそうだ。

燃ポンのように突然死することは少ないが、インジェクターは徐々に劣化するので、気づかないまま取り残される消耗品だということである。

80~90年代のランチアデルタの場合

17万km無交換のインジェクターだと、流石に再利用が無理だと理解できる極端な例であるが、9万km走行したあとの超音波洗浄・レベリングインジェクターは微妙である。

というのも、上述の国産車は10年もので、新車の時点で現在主流の多孔インジェクターを搭載している車だ。
もはや殿堂入りレベルの3~40年前設計インジェクターを積んでいるデルタはどうだろうか。

少なくとも5万km以上、7~10万km前後の個体が殆どだと思う。

90年代は一般的に車(=エンジン)の寿命が10万kmと言われていた世代で、10万を待たずしてエンジンO/Hを経験しているオーナーも居ると思う。
目詰まりしやすく、交換部品として認知されているフューエルフィルターの交換は当たり前として、突然死する燃料ポンプを交換している車両も多い。
実は、(燃ポンを含む)コイルモノは徐々に劣化しているという。

問題は、オーバーホールを含めて今までにインジェクターの超音波洗浄または新品に交換している車両はどれほどあるか、だ。

選択肢としてのマルチホール(多孔)インジェクターキット

最新?でも25年落ち、また、10万km近く走ったデルタのインジェクター交換が必要なのは分かっていただけたと思う。
ボッシュ製・純正新品に拘るのも一つの手だが、比較的ユーロが高く、またランチア純正部品も調達が難しくなってきている昨今なので、製造年月日が古く倉庫で長期眠っていた純正インジェクターを装着するのもリスクがあると言える。

ウチでは、インジェクターキット装着/出荷前に動作テストは勿論、吐出量(レベリング)やリークテストを行ってから出荷している。

手前味噌ではあるが、新車を超えるトルク・フィーリングアップが味わえ、2~3万kmも走れば燃費向上分で元が取れる上に、そこそこの吸排気系チューンを施した車両とマッチしていている実績があるコルソマルケオリジナルのインジェクターキット。
悪くない選択肢だと思う。